水田からのメタンガス発生抑制技術

摘要

メタンガスは炭酸ガスに次いで二番目に地球温暖化に寄与している温室効果ガスである。メタンは土壌や水の酸寒がない嫌気性環境に生息している嫌気性微生物のメタン生成古細菌により生成される。地球上のメタン発生量のうち約11％が水田由来である。掛こ東南アジアをはじめとする温暖な水田の多い地域でメタンガスの発生量が多い。製鋼スラグから溶出する鉄分が土壌の環境を酸化的にすることで，還元的な環境を好むメタン生成古細菌の活動を抑えられる可能性がある。ベトナムの水田で製鋼スラグ施用によるメタンガス発生抑制と収量への効果を調べるための実証試験を行った。製鋼スラグの施用により，17作中12作で収量が上がり，10作中9作でメタンガス発生量の減少がみられた。