特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律（化管法：PRTR制度）

摘要

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」（以下「法，法律」という）が，平成11年7月に公布された．本法律の略称には，化学物質排出把握管理促進法，または単に化管法がある．本法律は，PRTR制度とSDS制度を柱として，事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し，環境の保全上の支障を未然に防止することを目的とした法律である·ここで，PRTRとはPollutant Release and Transfer Registerの略であり，日本語訳ではPRTR制度のことを汚染物質排出移動登録制度という．SDSとはSafety DataSheetの略であり，日本語訳ではSDS制度のことを安全データシート制度という．SDS制度について先に述べると，化学物質を適正に管理するには，事業者は取り扱う化学物質やそれを含有する製品について，その成分や取り扱い方法を知っておく必要がある．そのため本法律では，指定した化学物質等について，事業者が他の事業者に対し譲渡し，または提供するときは，その相手方に対し，SDSを提供することが義務化されている．これがSDS制度である．なお，本稿ではSDS制度の詳細については割愛する．