生き残りを懸け新競争時代へ

摘要

欧州債務問題を発端とした世界経済の低迷および先行き不透明感を背景として，衣料，産業資材，カーペットなどの各繊維分野で荷動きが停滞，カプロラクタム（CPL），ナイロンチェーン全体の動きが重い。2012年中ごろより，中国におけるCPL新設をきっかけに需給バランスが余剰ポジション へ移行，特に第4四半期は新規CPLプレーヤー勢によるシェア争いが発生し，市場が大きく崩れた。このような状況下で，北米のシエールガス革命がもたらしたライトフィード化により，ベンゼン価格が高騰，さらにはアンモニア価格のまれにみる高値を背負いながら，売価の下落に直面したCPLメーカーは一斉に稼働を落とすことを余儀なくされた。