経常不安続くユコスの行方

摘要

ロシア法務省の強制執行官は、7月30日、脱税事件で社長が逮捕された大手の石油会社ユコスに対し、同社への34億ドルにのぼる追徴課税の支払いを8月末までの1ヵ月間、猶予するとの方針を示した。 インターファクス通信によると、アンドレイ·ベリヤコフ執行局長は同通信に対し、ユコスが2000年分の追徴課税の20％をすでに支払ったことを明らかにした。 ユコス幹部が会合で、支払いを早める意向を伝えてきたという。インターファクスは、ベリヤコフ氏が「残りは1ヵ月以内に支払われなければならない」と語った、と報じている。この報道に接して、30日のモスクワ株式市場では、ユコス株が9％以上値上がりした。 またロシア政府とユコスの和解に向けて、クレティエン前ヵナダ首相が仲介の労をとることになった。クレティエン氏は、ユコス主要株主の持ち株会社であるグループ·メナテップと繋がりを持ち、仲介役を引き受けた模様である。