政策の弾力性阻む「代エネ法」

摘要

石油危機後に脱石油、脱中東を目的に制定された「石油代替エネルギー法」が今ではエネルギーの最適利用を妨げ、政策展開の弾力性を阻んでいる。 国民生活と産業活動に不可欠であり、これからもエネルギー供給の大宗であり続ける石油を有効に利用すれば大きな効果を期待できるのに、肝心の石油を締め出すことを目的とした法律だからだ。 このため、政策面でも制度面でも石油の利用に歯止めをかける片寄った措置や施策が存在する。 今後のエネルギー政策の指針として昨秋制定した「エネルギー基本計画」は今後の政策課題として、安定供給の確保、環境への適合、市場原理の活用のいわゆる3Eを同時達成するエネルギー·ベストミックスの構築を提言している。 だが、新しい総合エネルギー政策の弾力的追求が代エネ法·新エネ法の存在により阻まれているのは確かである。 とくに電源構成では脱石油が著しい。 石油連盟の試算によると、石炭火力を石油火力に切り替えるだけで、CO_2排出量は大幅に低減する。 石油危機後の制定当時とは状況も環境も大きく変わったのだから、代エネ法の政策的役割を検証し直す必要があるというのが石油業界の主張である。