2009年の原油価格を展望する②底の見えない暴落と再暴騰の可能性

摘要

原油価格が2008年夏には1バレル147.27ドルまで高騰し、年末の12月19日には1バレル32.40ドルと2004年2月の水準まで暴落したことは、世界的な景気後退に伴う石油需要の伸びの減退を考慮に入れたとしても、明らかに原油バブルであった。 しかし、ファンダメンタルズ（経済の基礎的条件）に何の変化もなかったかといえば、必ずしもそうとはいえない。IEA（国際エネルギー機関）が2008年12月11日発表の石油市場月報で、2008年の世界石油裔要は、前年よりも20万b／d下回る8,584万b／dと1983年以来25年ぶりの前年割れにとどまるという統計を公表した衝撃ははかりしれないほど大きい。