ガソリン暴落を止められるか景気後退と原油急落に対応すべき戦略

摘要

世界的な景気後退と原油価格の下落を根本の原因とする末端のガソリン販売価格の下落が止まらない。石油情報センターが公表しているレギュラー·ガソリンの全国平均価格も史上最高値を記録した2008年8月の1l185円と比較して、2088年11月27日に発表した11月25日時点ではレギュラー·ガソリンの全国平均価格は1l127.90円と1l当たり60円近くもの大暴落となっている。レギュラー·ガソリンの130円割れは2007年4月以来のことであり、ほぼ1年7ヵ月ぶりである。 しかも、わずか3ヵ月の間に1l当たり60円もの下落は日本の精製·元売企業にとっても未曾有の事態といえるであろう。 その背景には、2008年9月15日の名門投資銀行リーマン·ブラザース破綻を境にして急激に進行した世界的な金融危機と実体経済の景気後退に伴う石油製品需要の減少、金融市場の急速な信用収縮の進展によって資金繰りに窮したヘッジファンドなどの投機資金がキャッシュの確保のために原油先物売りに殺到したことから発生した、実際の需給関係をはるかに乖離した原油価格の暴落がある。