隙間噴流法試験による銅合金の耐エロージョンーコロージョン性評個

摘要

現在、バルブなどの水道部材には、青銅合金や黄銅合金が一般に用いられており使用環境に応じて使い分けされている．その使用環境に適合する材料選定において、適用材料の耐食性は重要な因子といえる．黄銅合金の耐食性評価は、一般にISO－6509に規定された脱亜鉛腐食試験のように、溶液の流れがない静置環境下での試験により耐脱亜鉛性を評価し、新しい耐脱亜鉛黄銅合金などの開発が行われている．しかしながら、実際にバルブなどの、特に流れが生じる環境下では、耐脱亜鉛黄銅合金であっても十分な耐食性を発揮できていないとの報告1）2）もある．松村らは、流れの生じる環境下での浸食が、エロージョンーコロージョン（流れ誘起局部腐食）に起因するものであることを明らかにし、その加速試験法として塩化銅（Ⅱ）水溶液を用いた隙間噴流法試験が適していることを見出した.