閃くオートIDシステム：ユビキタスID活用で生産から消費までの食品トレーサビリティ確立へ～平成16年度 農林水産省開発実証事業より2件の成果を徹底検証

摘要

農林水産省 消費·安全局は，食品トレーサビリティシステムの導入促進に向け，平成14年度より開発実証事業を推進してきた。 近年，BSE問題や流通履歴の偽装事件，さらに残留農薬，安全性未審査のGMO（Genetically Modified Organisms／遺伝子組み換え作物）食品混入など，食に対する消費者の不安が大きく高まっていたことから，食品が「いつ，どこで，どのように」生産·流通されたかという情報を，消費者がいつでも把握でき，万が一食品事故が発生した場合に原因究明を容易とする仕組みが不可欠と判断したのだ。 トレーサビリティシステムの構築と推進は，政府の掲げるe-Japan戦略IIにおいて，食の安全·安心を支える手段として重点分野の1つに掲げられており，04年（16年）12月には「牛の個体識別ための情報の管理および伝達に関する特別措置法（牛肉トレーサビリティ法）」が施行されたこともあり，今後トレーサビリティへの取組みはますます本格化するものとみられている。