金属鉱物·地熱資源探査へのリモートセンシング応用技術とその最近の動向

摘要

ここ半世紀あまり，計測とデータ処理技術のハード，ソフトの両面での進歩により，地球の科学的理解が格段に深化した。地圏に限ると，地形，地質分布，表層の地質構造，地球内部構造，物性,化学的性質，流体の流れと物質移行。岩石との化学反応，地殻変動などが詳細に明らかになってきた。これらの性質や構造，変動は独立ではなく，比抵抗などの物性から流体や熱水変質帯の存在が推定できるなど，相互に関連する。地球内部構造と物性，特に力学的固有定数や比抵抗などに関しては地震波トモグラフィー，地磁気-地電流探査などの地球物理的計測法が大きく貢献した。地球表面と浅層に対しては小地域での地質調査，地化学探査，物理探査に加えて，データベース化と地球統計学などの応用による点,線データからの3次元モデリング，およびGISによる異種データの統合が一般的，かつ有効な手法である。