GMO対応ワーキンググループより遺伝子組換えの花による社会とのつながり

摘要

遺伝子組換え植物(GMO)が商業化されてから約30年が経過した.認可されたGMOには安全性に問題がなく農業生産に貢献していることは科学的には示されているし，GMOなしに日本の食生活や畜産業は成立しないにもかかわらず.また.社会的受容を目指した活動が長年されてきたにもかかわらず，GMOは相変わらず不人気である.これは日本だけの状況ではなく，GMOが大規模に栽培されている米国でもGMOフリーのスーパーやレストランはあるし，表示の是非をめぐって住民投票が行われている. この不人気さの原因はさまざまあるだろう(Trends in Plant Science, 2015,20, 414-418)が,ひとつには消費者が買ってみたいと思えるような魅力をもつGMOが少ないためではないかと考えている.たとえば，コシヒカリを凌駕するようなおいしい米があればGMOでも受け入れられるのではないだろうか？