腹腔鏡下胆嚢摘出術－クリニカルパスを用いて

摘要

現在，胆石症における治療法は確立されつつあり，特に胆嚢結石症に対しての腹腔鏡下胆嚢摘出術の普及は目覚ましいものがある。 当施設では2002年より腹腔鏡下胆嚢摘出術に対しクリニカルパスの導入を試みた。 導入当時は医療側に戸惑いと混乱があったが，患者側においては比較的問題なく取り入れられた。 外来から入院，入院から退院までを一貫してクリニカルパスに沿って術前検査，手術，術後管理が行われている。 バリアンスの原因は術後に多く認め，とくに患者側の要因によるものが多かった。クリニカルパスを円滑に進める上で大切なことは患者への十分なインフォームドコンセントであり，医療側ならびに患者側がお互いに理解し合って行えることが最も重要である。さらには医療トラブルの減少につながり，患者満足度の向上に至ると考えられる。この度，医療費の包括評価制度導入により今後，クリニカルパスは必要不可欠なものになると考えられる。