Hans Bergerによるヒ卜の脳波の発見とその後の脳波学の発展について(1)

摘要

ドイツの精神科医Hans Bergerは，1929年に「ヒ卜の脳波について」と題した世界最初の論文を発表して以来，同じタイトルの論文を14編発表し，他に「ヒ卜の脳波」と題して，これまでの脳波研究をまとめた論文を1938年に発表している.硬膜上および頭皮上から誘導した活動電流の曲線をElektrenkephalogramm (脳波）と命名し，その構成成分としてalpha波とbeta波を区別し，EEGと略称することを提案した.脳波に及ぼす感覚刺激，計算，麻酔薬の影響や，てんかん患者の脳波について詳述している.