深吸気息止めSPECTの実際

摘要

通常の胸部CTは深吸気息止めで、撮影されるが、胸部SPECTは通常、持続呼吸で撮影されるため、融合画像作成の際に位置ずれが生じる。そこで、深吸気息止めによる胸部SPECT撮影法を考案し、その有用性を検討し報告する。方法は収集モードが Step and shoot、収集角度は3度step、収集時間は1stepあたり10?15秒、奇数フレームを深吸気停止、偶数フレームを安静持続呼吸に振り分け、繰返し回数は30回とした。得られた画質は良好であった。しかし、肺血流シンチグラフィにて深吸気息止めSPECTを試みた150例のうち、69例（46%)で、深吸気息止めSPECTが施行できなかった。一方、心筋安静シンチグラフィにて深吸気息止めSPECTを試みた81例の中で、深吸気息止めSPECTが施行できなかつた症例は6例（7 %)であり、肺血流シンチグラフィを受ける患者では、深吸気息止めSPECT 困難な症例が多かった。