バスキュラーアクセス経皮的血管形成術の治療効果評価のための再循環率'クリアランスギャップ'を用いたアプローチ

摘要

バスキュラーアクセス（vascular access：VA）の狭窄病変に対しては，経皮的血管形成術（percutaneoustransluminal angioplasty：PTA）が行われることが多いが，PTAの適応と効果判定においては，いまだ確立された評価基準がない。これまで多くの場合，狭窄率の改善，つまり造影所見における形態評価が重視され，PTAの適応と効果判定は狭窄率の改善度合いを評価基準としてきだ。また，より客観的な方法として透析効率であるKt／Vが提唱されているが，Kt／Vには複数の要素が関係しており，ureaのクリアランスに加え，透析時間および血流量（quantity of blood flow：QB）も重要なKt／Vを左右する因子である。QBはバスキュラーアクセス（vascular access：VA）の状態に左右され，VA機能維持は良好なKt／Vを得るのに不可欠である。