血う夜透析患者における高リン血症に対するニコチン酸アミドおよびニコモールの低リン効果

摘要

慢性維持透析患者において高リン血症の治療は二次性副甲状腺機能克進症による腎性骨異栄養症の発症や，異所性石灰化などを予防するためにきわめて重要である。 しかし，食事によるリン制限が難しいこともあり，実際には透析によるリン除去だけでは血清無機リン値の管理は不十分になりやすい。 そこで，血清無機リン値を低下させる薬剤が必要となり，この目的のためリン吸着剤として，以前はアルミニウム製剤が使用されていたが，脳症あるいは骨症などの副作用が認められることから，現在は沈降炭酸カルシウムが汎用されている。しかし，この薬剤にも血清カルシウム濃度を上昇させるという問題があり，このため，新たな機序に基づくリン低下薬が待望されている。