~(99m)Tc－GSA肝シンチグラフィの視覚的評価に影響をおよぼす各種画像表示系の検討

摘要

~(99m)Tc標識ガラクトシル人血滴アルブミンジュチレントリアミン五酢酸（~(99m)Tc－GSA）を用いた肝シンチグラフィの視覚的評価時の白黒モニタとカラーモニタなどの画像表示系の設定条件の検討をフイルム系を含め総合的に行った．画像表示系ごとに，計数に対するモニタの輝度に変換するための7種類の変換曲線（キャリブレーションカーブ，CC）を用意した．モニタの輝度とフイルムの異化度の関係を検討するとともに、この7種類のCCによって，123例の~(99m)Tc－GSA投与後5分～6分の1分間の肝シンチグラフィ画像を変換し（画像表示系ごとに861枚），16人の観察者により，用意した5段階の基準に従い視覚的に分類した．モニタの輝度とフイルムの異化度は正の相関を示し，両者のCCを一元化できた．フイルム系において傾斜4．2の至適CCが存在するのと同様に，白黒モニタとカラーモニタなどの画像表示系にも至適CCが存在し，両モニタとも約4。 8の傾斜を持ったCCが血液生化学的肝機能検李値ならびにアシアロ肝シンチにより得られる肝機能の指標と最もよく相関した．シンチグラフィを視覚的に評価するためには，他のシンチグラフィ検査にも画像表示系ごとに至適CCを準備することの必要性が示唆された．