〔後天性腎疾患とポドサイト〕ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群におけるポドシン異常の関与

摘要

ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群，なかでも巣状分節性糸球体硬化症（FSGS）の組織型を呈するものは，末期腎不全に進行する可能性が高く，小児期末期腎不全の原因としては先天性腎尿路奇形に次ぎ頻度が高い。 ステロイド抵抗性FSGSが原因で腎不全となった患者に腎移植を行うと，しばしば移植腎にFSGSが再発する（欧米では，小児での再発率は30～50％と報告されている）こと，移植後にFSGSが再発した患者の一部ではplasmapheresisやPlasma exchangeに反応して蛋白尿が減少することなどから，これまでは，糸球体毛細血管の透過性を亢進させる何らかの液性因子がFSGSの原因と考えられてきた。