発症早期に高血圧性脳症を合併した分節性腎梗塞による腎血管性高血圧の1例

摘要

今回われわれは，発症早期に高血圧性脳症を合併した分節性腎梗塞による腎血管性高血圧の症例を経験した。 まれな経過をたどった症例と考え，報告する。患者：52歳，男性。 主訴：意識障害を伴う痙攣発作。 既往歴：1992年から甲状腺良性腫瘍で経過観察中である。 健康診断で胃潰瘍瘢痕を指摘されたことがある。 家族歴：特記すべきことはない。 現病歴：普段の収縮期血圧は高い時で150mmHg程度であった。 1999年末より休日なく睡眠時間4，5時間程度で働いており，過労気味であった。2000年1月25日より倦怠感と食欲不振が出現した。 1月26日には仕事を休んだが，下腹部痛と下痢が出現し，やがて頭痛も自覚した。