増殖糖尿病網膜症に対する硝子体手術の術後1年成績の比較

摘要

目的：増殖糖尿病網膜症に対する硝子体手術の術後 1年成績を後ろ向きに検討する。対象と方法：増殖糖尿病網膜症に対し硝子体手術を施行し1年以上経過観察した183例236眼を硝子体出血群， 黄斑外牽引性網膜剥離群，黄斑部牽引性網膜剥離群，裂 孔併発牽引性網膜剥離群に分類し，術後1年での視力お よび視力変化量を検討した.さらに術前のべバシズマブ の投与状況，20G群と小切開硝子体手術(MIVS)群での 手術成績を比較した.結果：LogMAR 0.3以上の視力変化は改善166眼 (70%),不変56眼(24%),悪化14眼(6%)であった.牽引性網膜剥離群でMIVS群でのベバシズマブの使用頻度 が高く，裂孔併発牽引性網膜剥離群ではMIVS群で 20 G群に比べ有意な術後視力変化量が得られた.結論：増殖糖尿病網膜症に対して硝子体手術を施行 し，術後1年において良好な視力を得た.増殖糖尿病網 膜症に対するMIVSの優位性も示唆された.