家兎におけるマイトマイシンC結膜下投与後の眼内濃度と濾過手術成績

摘要

有色家兎眼の結膜下にマイトマイシンC（以下，MMC）を吸収させた手術用スポンジを留置し，各組織内MMC濃度をhighperformanceliquid chromatography法（以下，HPLC法）で測定した．MMC投与条件は0.1mg（0.02％，0.5ml）を3分と5分，0.2mg（0.04％，0.5ml）を1,3,5分，0.4mg（0.08％，0.5ml）を1分と3分の計7種とした．重回帰分析の結果MMC投与，洗浄直後の投与部の結膜内MMC濃度は－6.73＋67.4×投与量（mg）＋1.66×留置時間（分）（寄与度0.65），強膜内濃度は－1.85＋38.2×投与量＋0.927×時間（寄与度0.63），角膜内濃度は－0.727＋8.44×投与量（寄与度0.46）で表された．さらに，0.2mg（0.04％，0.5ml）MMC投与の留置時間1，3,5分と蒸留水投与5分間について，有色家兎眼の片眼（各々m＝10）に濾過切除術を行い成績を比較した．眼圧下降効果，濾過胞稚持効果持続日数は，蒸留水投与群に比較してMMC投与群ではいずれの留置時間でも有意に長かった．MMC群内では1分群と3,5分群の間に有意の差があったが，3分群と5分群の間に差はなかった．