茶工場従事者に発症し，茶成分が起因抗原と考えられた亜急性型過敏性肺臓炎の1例

摘要

症例は54歳女性。 茶のティーバツブ製造に18年前より従事していた。1年前より続く労作暗息切れと乾性咳嗽のため，1997年2月に入院した。 fine craccklesを全肺野に聴取し，Pa_(O_2) 69．0 Torrの低酸素血症を認めた。 胸部×線写真上，下肺野に強いスリガラス陰影，胸部CT上びまん性に汎小葉性の肺野濃度上昇がみられた。 気管支肺胞洗浄でリンパ球増多を呈し，経気管支肺生検ではリンパ球性胞隔炎が認められた。 緑茶の成分である粗力テキンに対する血清沈降抗体が陽性かつ，緑茶抽出物吸入誘発試験陽性であり，復職後に症状が再燃し，退職後に画像所見と肺機能が著しく改善したことから，茶成分を抗原とする過敏性肺臓炎と診断した。