腹腔鏡下手術で修復した下行結腸を内容とする上腰へルニァ腹腔鏡下手術に特徴的な解剖認識と手技

摘要

上腰ヘルニアは腰部の腹壁脆弱部である上腰三 角から出るまれな腹壁ヘルニアである.この上腰三角は，1866?1870年にGrynfeltt, Larrey, Lesshaftらが報告した，古くから知られるヘル二 ァ発生部位である2).その一方で，21世紀に入つ てからも画像診断および手術法の進歩に伴う上腰 ヘルニアに関する新たな臨床報告が散見される3?5にしかしながら，腹腔側から認識すべき上 腰ヘルニアの手術解剖および遂行すベき手術手技 に関する詳細な報告はいまだに少ない.今回，わ れわれが経験した上腰ヘルニアに対する腹腔鏡下 手術において得られた解剖と手技に関する知見を 報告する.