一過性の悲哀反応を示した事例に関してラメルテオンを使用しつつ心理士にスーパーバイザ一としてかかわった1例

摘要

近年，うつ病患者の増加により，過剰診断 による安易な薬物療法が問題の1つとなって いる。原因の1つとして，多くのうつ病ある いは一過性のうつ状態を呈した患者が精神科 あるいは心療内科ではなく一般の内科を受診 していることが考えられ，安易に抗うつ薬が 処方されていると思われる。今回筆者は内科 で抗うつ薬を処方され，効果がないとのこと で当クリニックを受診した症例に対し，傾聴を主とする短期精神療法を新卒の臨床心理士 に行ってもらいながら，管理医としてかかわ り，スーパービジョンを重ねることで症状が改善した事例を経験したので報告する。