テルミサルタン単剤治療による降圧が不十分な本態性高血圧症患者に対するテルミサルタン/アムロジピン配合剤治療が血圧日内変動に及ぼす影響の検討

摘要

高血圧は心血管系ィベントのリスク因子で あり，心血管系イベントの発生を抑制するためには夜間，早朝を含めた24時間にわたる厳 格な血圧コントロールが必要となる。24時間 自由行動下血圧測定（Ambulatory Blood Pressure Monitoring ： ABPM)では，外来におけ る血圧測定では捉えることができない情報を 得ることができる。24時間'(昼間，夜間）の ABPM連続測定で得られる血圧値の変動（血 圧短期変動性）の検討により，心血管系ィべ ントをより鋭敏に予測できやことが報告 されており，特に昼間平均血圧と夜間平均血圧の差5)や夜間から早朝にかけての血圧の上 昇は臓器障害のリスクとして確立している6)。また，ABPMで得られる情報は1日を単'位と した降圧薬の治療効果の判定にも有用である。 24時間にわたる血圧の推移をみると，夜間 平均血圧は通常，昼間平均血圧に比べ10-20% 下降する。正常なdipping status (夜間血圧変 動タイプ）を示すdipper型に対し，異常な夜間 血圧変動タイプは，血圧下降が10%未満のnon-dipper 型， 20%以上のextreme-dipper型，昼間 の血圧より夜間の血圧が上昇するriser型に分類される。