食道癌および胃癌に対するCDDPを含む化学療法後の悪心 嘔吐におけるアブレピタント（ィメンド~R)の有効性について

摘要

目的：抗癌剤の副作用とレての遅発性嘔吐は思者のQOLを下げる重大な副作用の,1つである。近年.その治療薬としてアブレピタントが本邦で保険収載となった。本研究では消化器癌のシスブラチン（CDDP)を含む抗癌剂治療後の悪心 嘔吐（CINV)におけるその効果を検証する。対象と方法：対象は，京都府立医科大学附属病院消化器内科にて食道癌もしくは胃癌と診断を受け，CDDPを含む抗癌剂治療を受けた症例とした。初回治療時にCINVに関する症状聴取を行った。症状を認めたものに対して次回治療時にアブレビタント投与を行い再度 症状を聴取した。アブレビタント投与症例における症状の改善についてCTCAEに基づく医療者側の評価およびCINV症状 QOL自己チェックシートにて検討を行った。結果：初回治療時のCINV自己チェックシート記入例は14例であり，CINVに関する症状を認めたものは10例であった。10例中アブレピタント投与後の悪心の完全制御率はday1 (急性）では80%, day2?5 (遅発性）でも70%であった。また症状の改善に伴いQOLの改善も認められた。結論：アブレピタントはCDDPを含む消化器癌の抗癌剤治療において，従来の治療法で効果を認めない急性および遅発性のCINVに効果を示した。