ァルツハイマー型認知症に伴ううつ状態におけるフルボキサミンの認知機能維持·改善効果の可能性

摘要

高齢ィヒに伴いアルツハイマー型認知症（AD)患者は急速に増加してきており，その進行抑制は重要な課題である。一方，初期AD患者にはうつ状態を伴うことが少なからずあり， 抗うつ剤による治療が試みられている。最近，抗うつ剤のフルボキサミンがシグマ-1受容体を介した神経新生や神経伝達調節を介した認知機能改善，神経細胞保護などの作用を有することが示されているが，今回，ADに伴ううつ状態であったことからフルボキサミンを併用し，長期的な認知機能維持に役立った可能性のある4症例を経験した。今後，多数例での検討が望まれる。