バイオシミラーの位置づけと意義を考える

摘要

化学合成（低分子）医薬品においてはすでに多くのジェネリック医薬品が存在し，国民 医療費抑制に大きなインパクトを与えている。昨今，がん医療においてはこれまでの化学合成杭がん剤に代わって，分子標的薬を主流としたバイオ医薬品が臨床現場に登場し，治 療成績が向上した一方，がんの増加に伴って非常に高価な医薬品が，国民医療費を押し上げる要因になっている。そのため，それらに代替するものとして開発されたのが「バイオ 後続品.（バイオシミラー）」である。本邦ではまだ2種類しが発売されていないこともあつてその認知度は低く ， 「バイオシミ ラーとは何か丄「ジェネリックとはどこが違うのか」といった基本的な点に関しても十分 に理解されていないのが現状である。そこで本座談会では，第一人者の先生方にお集まりいただいてバイオシミラ一の基礎を点検し，今後の医療におけるバイオシミラーの位置づけを展望していただいた。