咳喘息におけるプロ力テロール，プランルカスト併用療法とプロカテロ一ル，フルチカゾン併用療法の臨床効果の比較検討

摘要

【目的】ロイコトリェン受容体拮抗薬（プランルカスト）が，咳喘息にも効果を認めるこ とを証明するため，プロ力テロール，プランルカスト併用療法とプロ力テロール，フルチカゾン併用療法をIOS法，呼気NO測定，VASスケール，肺機能検査にて臨床効果の比較検討を行った。【方法】慢性咳嗽を主訴に来院し，呼気NO測定にてFENOが22ppb以上の患者に対して， 胸部レントゲン単純撮影，喀痰検査，血液検査を施行し，感染症や腫瘍など明らかな原因 を認めない患者にIOS法，VASスケール，および肺機能検査を施行した。無作為割り付けにてプロ力テロール，プランルカスト併用群またはプロ力テロール，フ ルチカゾン併用群に割り付け，2週間後に再度IOS法，呼気NO測定，VASスケール，肺機 能検査を行い，治療効果の評価を行った。【結果】2週間後に来院し，再度検査を施行できた症例は計52名であった。FENO, IOS法のRrs5， Rrs20およびVASスケールでは，プロ力テロール，プランルカス ト併用群，プロ力テロール，フルチカゾン併用群共に治療前後の比較で有意に改善を認め， さらに両群間での変化率に有意差を認めなかった。肺機能においては，両群共に治療前後 で有意差を認めなかった。【結論】咳喘息患者では，プロ力テロール，プランルカスト併用群とプロ力テロール，フ ルチカゾン併用群の治療効果において，有意差を認めなかった。咳喘息の治療の際に，吸入が困難な症例などでは，ロイコトリェン受容体拮抗薬も治療 の選択肢に考えられた。