実地診療におけるビルダグリプチン50mg単回投与の有効活用術 朝あるいは夕1回投与の血糖改善効果と安全性

摘要

糖尿病は持続的な高血糖を中心とした種々の代謝性異常を呈し，網膜症，腎症あるいは神経障害などの細小血管障害や動脈硬化性疾患の発症および進展を促進する因子である。2型糖尿病の病因は，インスリン分泌不全， インスリン抵抗性あるいはグル力ゴン分泌制御不全などから生じるィンスリンの作用不足であり2),食後および空腹時の糖代謝異常の検出がその診断法となっている。摂食により小腸下部から分泌される消化管ホルモンのィンクレチンは.血糖依存性に脬/? 細胞からのィンスリン分泌を亢進すること， ならびに膝ひ細胞からグルカゴンの異常分泌を抑制する生理作用を示すが，生体内ではジぺプチジルぺプチダーゼ-4 (DPP-4)により速やかに分解される。