リスパダールコンスタ~R筋注用に定型抗精神病薬のデポ剤からの切り替えを試みた1症例

摘要

2009年6月に，本邦初の非定型抗精神病薬のデポ剤であるリスパダールコンスタ~R筋注用（リスペリドン持効性懸濁注射液）が販売開始となり，デポ剤に新たな選択肢が増え半年程になる。そして，その処方はリスペリドンの経口薬からの切り替えが主であると考えられるも，これまでの定型抗精神病薬のデポ剤からの切り替えが，それらの効果が不十分であったり，副作用のために模索される場合も想定される。今回，フルフヱナジンのデポ剤を使用し，ある程度の効果は認められたものの，陽性症状が継続し病識はなぐ拒薬傾向が続き，経口での抗精神病薬の安定的な投薬が困難，かつ遅発性ジスキネジァゃ手指振戦の副作用が著明に認められたため，リスパダールコンスタに直接切り替えを試み，拒薬傾向や副作用の改善などの利点が認められたのでここに報告させて頂いた。