乳癌治療における阻害剤の可能性

摘要

DNAの損傷は内因性と外因性（抗癌剤，放射線）のプロセスによって生じ，突然変異の誘導や細胞死に結びついています。細胞には種々のDNA損傷に対応するために複数の修復経路が存在します。その主なものとして，一本鎖DNA切断に対する塩基除去修復，二本鎖DNA切断に対する相同組み換え修復や非相同末端結合修復があり，前者にはポリ（ADP-リボース）ポリメラーゼ-1 (PARP-1)が，後者にはBRCA1やBRCA2が関与しています。