整形外科疾患による慢性疼痛患者に対するトラマドール塩酸塩/ァセトァミノフェン配合錠の治験症例報告

摘要

これまで本邦における整形外科領域での慢 性疼痛に対する保存的治療は，運動療法や物 理療法などの理学療法，神経ブロック，ならびに関節内注射やNSAIDsの経口剤または局所 投与などの薬物治療が主流であるが，ここ数 年でNSAIDsとは異なる作用機序をもつ鎮痛薬 が次々と登場し，慢性疼痛に対する薬物治療 は大きな変革点を迎えている。2010年1月に 癌性疼痛治療薬であったデュ口テツプMT パッチ（一般名：フェンタニル）に非癌性の 慢性疼痛治療に対する適応が追加され，モル ヒネ以外の強オビオイドを慢性疼痛に使用す ることが可能となった。また，2010年4月に 帯状疱疹後神経痛の治療剤として承認された リリ力カプセル（一般名：プレガバリン）が 2010年10月に末梢性神経障害性疼痛に対する 適応を取得し，神経障害が混在すると考えら れる腰痛などにも使用されてきている。