生児出生例から考察した卵巣機能不全不妊症に対する加味逍遥散の蒼允製剤と白光製剤の個体的効能差

摘要

加味逍遥散の蒼求または白光含有エキス剤の卵巣機能不全不妊症に対する個体的効能差を調べる目的で，随証療法によって運用した蒼允含有加味造造散で妊娠が成立しなかった症例を2006年8月に白光含有加味遭遇散に変更し，妊娠が成立して生児分娩した症例の両加味逍遥散の投与期間，各種症状を検討した。 この結果，白光含有加味逍遥散の投与期間は有意に短期であった。 また出産例は漢方医学的には「裏寒」と考えられる機能性胃腸障害が高率に認められた。 以上の結果から両加味遭遇散は漢方医学的個体差を考慮した使い分けが必要であり，機能性胃腸障害を合併する症例には白光含有加味道造散の効能が高いと考えられた。