難治性うつ病23例へのaripiprazoleの使用経験

摘要

長年治療に難渋した難治性うつ病患者23例に対し,新規の抗精神病薬aripiprazoleを前薬に追加投薬した。 投薬経過を3回に分け,1年半追跡調査したので報告する。 23例中,3例は効果が見られなかったが, 20例は改善が認められた。 Aripiprazoleによる副作用は錐体外路症状(アカシジア,流誕,振戦),不眠,倦怠感が出現し,脱落症例は6例であった。 現在,本邦ではaripiprazoleの適応は統合失調症のみである。 難治性うつ病の適応のある薬剤に制限がある今, aripiprazoleの使用は意義があるものと考えるので,症例を含めて報告する。