死体腎移植後，急性肺障害をきたした症例に対する好中球エラスターゼ阻害薬の使用経験

摘要

感染，外傷，その他の侵襲により高サイトカイン血症（SIRS）が惹起される。 特に炎症性サイトカインが大量に放出されると末梢血好中球の活性化が起こり，細織間隙への浸潤，集積が起こってくる。 その際，血中α_1アンチトリプシンの不活化が起こり，好中球から分泌する好中球エラスターゼにより急性肺障害（ALI）が起こるとされている。