多発性骨髄腫における骨髄腫瘍血管新生－病態の解明と新しい治療法の開発

摘要

近年，多発性骨髄腫に対して移植療法も含めて新しい治療法の発展が著しい。 しかし，いずれの治療法においてもほとんどの症例は早晩再発を来し致命的となり，本質的な予後の改善には至っていない。 移植療法後の再発例や種々の化学療法に対する抵抗例は手を打つすべもなく予後は悲惨である。 新しい視点をもって骨髄腫の病態をとらえ，さらに新しい治療法の開発が切に望まれる。 近年，固形癌の一部で腫瘍血管新生とがんの進展の関与が明らかとされ，かつ抗腫瘍血管新生作用薬による新しい治療法の開発が進んでいる。