上皮性卵巣腫瘍におけるp27~（kip1）発現と悪性度の相関について

摘要

上皮性卵巣腫瘍におけるp27~（kipl）発現を98例の腫瘍標本を用いて解析した．免疫組織化学的染色法による，p27~（kipl）の陽性率検定では，良性腫瘍77％，境界悪性腫瘍78‰　 悪性腫瘍38％であり，陽性率は癌化に伴い減少する傾向が見られた一．このうちの21例を用いた，ウェスタンプロットでも悪性腫瘍での陽性率は,良性腫瘍でのそれに比べて約半分であった．さらに，p27~（kipl）の発現は，組織学的分化度およびリンパ節転移状態との間に逆相関を認めた．このことよりp27~（kipl）の発現低下が上皮性卵巣癌の悪性度増悪に密接に関連し，したがって予後にも関連していることが元唆された．