エトポシド（VP－16）経口投与を中心とした悪性リンパ腫の治療後に発症した急性前骨髄球性白血病の1例

摘要

患者は73歳，女性．胃悪性リンパ腫の手術（1986年）後，1992年および1994年に再発し，種々の多剤併用療法を受けた．その後1996年4月までの18カ月間VP－16内服を受けた．VP-16終了8力月後に，血液検査にて白血球1，100/mul，Hb10．6g/dl，血小板0．6Ⅹ10~4/mulを指摘され，骨髄検査にて急性前骨髄球性白血病（APL）と診断された．VP－16の総投与量は6，125mgであり，治療関連2次性白血病が考えられた．All－trans retinoic acid（ATRA）は効果なく，多剤併用療法にて完全寛解となった．治療関連APL（ま，種々の癌化学療法後に認められるが，VP－16の長期経口投与後に生じたものは報告が少なく，今後も症例の集積が必要と考えられた．