感染症診療の原則とガイドライン

摘要

アプローチの重要性　 本稿は様々な血液疾患に関する感染症関連のガイドラインを利用する上で重要と思われる基本的事項を述べる。 基本的にはTable1の4つの柱を各論的に整理して発熱患者，感染症を疑う患者にアプローチする事が重要である。 逆に「熱が高いので感染症を疑い，抗菌薬をはじめる」というのは例外を除き非常にまずい。 似たようなものに「CRPが上昇しているから，白血球が増加しているから，感染症を疑い抗菌薬を投与して満く」といったことも同様にまずい。 「どの臓器が，どの微生物により，感染症を起こしているから，どの抗菌薬を使う」と考えるようにすべきである。 治療の効果も各論的に追う。 すなわち臓器特異的な治療効果の判定が重要である。具体的な臓器，起炎菌，抗菌薬を絞りこむ方法を順に説明する。