高齢者急性骨髄性白血病に対する第一寛解期の治療選択

摘要

急性骨髄性白血病（AML)の発症頻度は年齢の上昇とともに増加することが知られており，JALSGによる調査では成人のAMLの発症年齢中央値は60歳以上であることが報告されている。50歳代以上の患者が治療対象の大半を占めるわけであるが，今までに行われたAMLの治療選択と予後の研究の多くは50歳以下の患者を対象としている。若年の患者に対しては数多くの研究より得られたェビデンスに乗っ取って積極的に治療方針が選択される一方，高齢者AMLに対しては明確なェビデンスやガイドラインがなく，有効かつ適切な治療を選択することが困難であった。ここでは，本邦の1,000例の第一寛解期高齢者AMLの後方視的解析の結果を併せて，現在までに得られている知見をもとに高齢者AML の治療方針について述べる。