樹状細胞の抗原プロセシングと腫瘍免疫

摘要

骨髄幹細胞より分化する樹状細胞は,生体内を末梢から二次リンパ器官へと移動しつつ,成熟とともに強力な抗原提示能を獲得する.最近の研究から,樹状細胞の移動性が多数のケモカインレセプターの発現変化によって制御されていることや,有効な抗原提示には細胞外からの成熟刺激が必要で,その刺激が細胞内の抗原プロセシングだけでなく共刺激因子の局在までを変化させることが明らかになってきた.