最近の先天異常の動向と内分泌撹乱化学物質（環境ホルモン）

摘要

先天性の形態形成異常のうち，約1/4～1/5は遺伝的背景をもって発生するといわれ，その5～10％は妊娠中の環境物質，環境国子などの外的要因によるものとされている．わが国における先天異常の発生動向は，全国レベルの日本産婦人科医会のモニタリングシステムにより調査されているが，近年，わずかばかりではあるが，頻度の上昇が認められたものとして尿道下裂がある．その原因には個体そのもののもつ因子をはじめ，さまざまなものがありうるが，胎生期の内分泌環境に起因することも事業である．近年の工業化に伴い，あらたに多くの環境因子が出現し，複雑に取り巻く現代社会のなかではそれらの生物学的影響を正確に評価することはきわめて新しいか．これらのモニタリングを通して．われわれは監視し．評価を続けなければならない．