G蛋白質制御内向き整流性Kチャネル

摘要

G蛋白質制御内向き整流性カリウム(K_G)チャネルばG蛋白質共役型受容体刺激によって活性化され,細胞を過分極し,興奮性を抑制する.これは副交感神経緊張による心臓徐脈や種々の抑制性神経伝達物質による遅延性の抑制性後シナプス膜電位の形成機構であり,種々の細胞での膜受容体依存性の細胞興奮の制御に重要な役割を果たしている.K_Gチャネルを構成するサブユニット分子には複数の変異体が存在すること,これらのサブユニットは多様な組合せで集合し,チャネルを形成することが明らかとなってきた.さらに,こうしたK_Gチャネルサブニット構成の多様性がさまざまなチャネル特性や細胞内局在などの差異をもたらしている.最近,G蛋白質のGTP氷解活性を促進するRGS蛋白質がK_Gチャネル活性の電位依存性制御に重要な役割を果たしていることが明らかになってきている.