ヒトにおけるかゆみの評価

摘要

かゆみは数多くの皮膚疾患に伴う主要な症状であるが，個人的な経験に基づく主観的な感覚であるために客観的に評価することは困難である．かゆみの程度を臨床的に把握するために，患者の自己評価に基づいたさまざまな尺度が用いられている．また，かゆみに伴う掻き動作を測定してかゆみの程度を間接的に評価する方法がある．昼間は心理社会的な国子により修飾されやすいので，おもに夜間就寝中の掻き動作の測定が行われている．著者らは掻破の計測法として，赤外線ビデオカメラやアクチブラムの有用性を検討した一　 前者では確実に掻き動作をとらえることができるが解析が煩雑であるという点，後者では掻き動作のみを選別して測定できない点が短所とじてあげられるが，掻破の客観的な計測値が得られ，かゆみ治療の効果判定への応用が期待される.