食習慣と痛風

摘要

痛風は飽食の時代に増加し,戦争などで食糧事情が悪化すると減少することが知られており,食生活に密接に関連した疾患である.痛風の原因である高尿酸血症には多くの要因が関与し,なかでも食品中のプリン体含量について従来から強調されてきた.現在では,血清尿酸値ともっとも強い相関を示す指標は体重または肥満度であることや,インスリン抵抗性が血清尿酸値を上昇させる要因であることなどから,高尿酸血症患者の食事指導の主眼はインスリン抵抗性の改善も視野に入れた総エネルギー摂取量の制限と考えられている.しかし,極端な高プリン食は避けるべきであり,また飲酒も制限が必要である.アルコール飲料のなかではピ-ルがプリン体含量が多く,避けるべきと考えられる.