プリンアナログの特性ワルタラビン，ベントスタチン，クラドリビン

摘要

フルダラビン，ペントスタチン，クラドリビンの3種類のプリンアナログについて概説した．これら薬剤の対象疾患である慢性リンパ性白血風ヘアリーセル白血病（hairy cell leukemia：HCL）．低悪性度または濾胞性B細胞性リンパ腫などのindolent B-cell malignancyはわが図での発生頻度が低く，臨床開発は遅れていたのが現状である．しかしクラドリピントベントスタテンはHCLにおいて90％を超える奏効率を示すなど，有効性は確認されている，さらに，フルダラビンは注射剤のほかに経口薬がわが国において再発低悪性度B細胞非Hodgkinリンパ腫を対象に第Ⅱ相試験が実施され，効果安全性の面において有用であると報告されている．これらプリンアナログが既存の化学療法剤と異なる作用機序を有している点などを含め，今乱適切な使用によりindolent B－cell malignancyに対する治療戦略の選択肢か広かることを期待する.