血か板は,心筋梗塞,脳梗塞などの動脈血栓症の発症に重要な役割を果たず.動脈血栓症は動脈硬化巣の破綻により曝露された内皮下の血栓マトリックス上に,動脈血流の存在下で血小板が集積し血栓を形成することにより惹起される.動脈血栓症の発症メカニズムの理解,適切な抗血栓療法の開発には流体下での血小板とマトリックス,血小板どうしの接着の分子機構を正確に理解する必要がある.血流による高ずり応力に抗して血か板が接着するためには,血漿蛋白であるvon Willebrand因子と血小板の受容体であるGP I bαの相互作用が必須の役割を果たす.両者の結合は可逆的で短時間しか持続しないが,強い結合力を瞬時に発揮できる性質は血小板をマトリックス上.血小板血栓上に停止させるためには必須である.活性化GPIIb/Ⅲa,コラーゲン受容体などが関与して接着は安定することになる.
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