ムスカリン性アセチルコリン受容体から核へのシグナル伝達機構-低分子量GTP結合蛋白質を介した経路-

摘要

近年,チロシンキナーゼ活性を有する細胞増殖因子受容体からMARKに至るシグナル伝達経路が解明された。 一方,チロシンキナーゼ活性を有さないGTP結合蛋白質共役型受容体によってもMARKが活性化されることが明らかになり。 さらにそれガ単量体として機能する,いわゆる低分子量GTP結合蛋白質であるRas-MARK, Rac1, Cdc42-JNKの伝達機構の存在が示された。 そこで本稿では, G蛋白質共役型受容体のひとつであるムスカリン性アセチルコリン受容体とMARKスーパーファミリーの関連について,低分子量GTP結合蛋白質を含めて考察する。