小児瘙痒性皮膚疾患患者におけるセチリジン塩酸塩ドライシロップ(ジルテックドライシロップ1.25%)の有用性と服薬コンプライアンスに関する検討

摘要

2009年に日本皮膚科学会から発表された「アト ピ一性皮膚炎診療ガイドライン」には，その治療目 標として，患者を「症状はない，あるいはあっても 軽微であり，日常生活に支障がなく，薬物療法もあ まり必要としない」「軽微ないし軽度の症状は持続 するも，急性に悪化することはまれで悪化しても遷 延することはない」という状態に到達させることに あると明記されている"。そして，その状態に到達 させるためには，炎症に対して行うステロイド外用 剤やタクロリムス軟膏による外用療法，また保湿.保護剤外用などを含むスキンケアが中心であり，抗 ヒスタミン薬ゃ抗アレルギー薬は瘙痒に対する補助 療法としての位置づけになっている。しかしなが ら，患者の搔破行動による増悪を予防することが重 要なため，日常臨床の場では多くの患者に抗ヒスタ ミン薬が投与されているのが実際である。